第5章「香り」のデザイン〜自分も周りも快く

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においは、健康のバロメーター。
各メディアで話題の日本人はなぜ臭いと言われるのか』

「はじめに」「おわりに」を完全無料公開。
各章の一部も無料公開致します。

第5章は、悪臭ではなく、快い香りについて。
自らの悪臭をリセットしたら、本来の自分のニュートラルなニオイが蘇ります。
その自分にどんな香りをプラスしますか?
現代は、「香害」にも配慮が必要ですね。

書籍の目次

はじめに――実は、臭い! ? 残念な日本人
第1章 「におい」を知る
第2章 「臭う」は、不健康
第3章 「口臭」の正体と、その対策
第4章 「体臭」をコントロールする
第5章 「香り」のデザイン――自分も周りも快くする
おわりに

第5章「香り」のデザイン(一部無料公開)

香りは薬にも毒にもなる

ここまで、体臭や口臭の対策をお話ししてきた。

悪臭の原因を作る悪循環から好循環に変えることで、自分自身の本来持っているニュートラルなにおいにリセットされる。遺伝的、代謝的、常在細菌的、メンタル的、環境的な条件はひとりひとり違うから、それぞれのにおいには個性がある。

そのにおいは、誰かにあなたを感じさせ、安心感を与えたり、欲望に火を付けもする。ニュートラルなにおいだけでも、十分な癒しやスパイスになるのだから、自信を持つべきだ。

ニュートラルになると、本来の自分が求めるものや、自分に合うものが見えてくるものだ。遊び心を持って、鼻と心をくすぐる香りを、日常やビジネスシーンにプラスしてみてはどうだろうか。

最近では、香水や、お香、アロマ、ルームフレグランスなど、たくさんのフレグランスグッズがある。男性に向けても、百貨店やアパレルなどにはメンズ専用のフレグランスコーナーも常設されている。店員さんとの会話を愉しみながら、色々と試してみてはどうだろう。

一方で、最近の香りブームに乗じて、たくさんの消臭・芳香剤や芳香性柔軟剤などが販売されているが、これらのにおいが苦手な人も少なくないのではないだろうか。消費者のニーズによって香料を多用したり、においを長く持続させるような製品が増えている。強すぎる香水も含めて、「香りテロ」などと呼ぶ人もいるほどだ。

香料による健康被害は「香害」と呼ばれ、現代の公害問題の一つにもなっている。

香りは、薬にも毒にもなる。上手くプラスすれば、セラピーにもなるほどのメリットになるが、間違えればデメリットになることもある。特に、においの好みは人それぞれで、快・不快の感じ方や心身の反応も人それぞれだ。だから、自分の「快」のために香りをプラスする場合には、他人を「不快」にしないことが、最低限のエチケットである。

第5章では、こうしたエチケットの面も考慮しながら、香りをプラスするメリットについてお話ししたいと思う。

香りで個性をデザイン――紳士・淑女のための香りのまとい方

香りをプラスすることには、3つのメリットがある。

  1. 自分の魅力・個性を引き出す。
  2. 心身にポジティブな影響を与える。
  3. 暮らしを快適にする。

まず、1つ目のメリットである「自分の魅力・個性を引き出す」ことについて。

自分の好みの香りをまとうことは、ファッションで自己主張するのと同じことだ。品の良さ、落ち着き、爽やかさ、セクシーさ、華やかさなど、どんな自分を見せたいか、どんな気分か、また、どんなシーンを演出したいか。それによって香りを選び、自己演出し、メッセージを伝えることができる。

特に、香りは嗅覚を通して大脳辺縁系を刺激することで、ダイレクトに人の本能に訴えかけるので、潜在意識に強く印象を与えることができる。

どんなに良い香りでも、強すぎると生理的に嫌悪感を与え、「香害」認定されてしまう。許容され、好まれるのは、近づくと香る程度の秘めやかな香り方だ。ビジネスにおいては、お隣のデスクを犯さず、握手をするとほのかに分かるほどの香り方がよい。

香水は、他人との距離の取り方の程度によって、香りの拡散の仕方を考えて選び分けるといい。

いわゆる香水は、香料の含有率(賦香率)によって、「パルファン」「オー・デ・パルファン」「オー・デ・トワレ」「オー・デ・コロン」の4つに分類される。香りの持続時間や拡散しやすさが違うので、購入するときに確認しよう。

  • 「パルファン」……狭義の香水。持続時間は5~7時間。拡散しにくい。
  • 「オー・デ・パルファン」……持続時間は5時間程度。やや拡散しにくい。
  • 「オー・デ・トワレ」……持続時間は3~4時間程度。拡散しやすい。
  • 「オー・デ・コロン」……持続時間は1~2時間程度。拡散しやすい。

パルファンから順に、香料の含有率(賦香率)が高く、持続時間が長い。含有率が高いほど、もちろん価格は高価になる。ブランドによっては、パルファンとトワレで香料のグレードを変えていることもあるそうだ。

一方で、香料が多いからといって、遠くまで拡散するわけではない。香りの拡散しやすさは、アルコール濃度によるため、パルファンがもっとも低く、順に高くなる。

パルファンは、30cm程度のパーソナルスペースで香る、恋人向けの香り方。
オー・デ・パルファンは、40~50cmで香る、やや距離のある香り。
トワレやコロンは、アルコール濃度が高く、広く空間に拡散する。
男性向けの香水の多くは、スプレータイプのトワレなので、つけすぎに注意しないと、周囲に嫌がられてしまうかもしれない。

つづきの小見出し

  • 嫌味なく香らせるには
  • シーンに合わせた香りの選び方
  • 香りでポジティブをデザイン――アロマテラピー、アロマコロジー
  • バックグラウンド・フレグランス――香りで快適をデザインする
  • 「香害」注意報、発令中
  • 健康や環境を傷つけない香りを選ぼう

第5章、以上です。

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この記事を書いた人

編集長/桐村里紗

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
治療よりも予防を重視し、ヘルスケアを「ライフスタイルデザイン」再定義し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、物理学などをもとに、執筆、メディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。 著書に、『日本人はなぜ臭いと言われるのか〜体臭と口臭の科学』(光文社新書)など。