ニオイは、ギフトだと思う。

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ニオイは、ギフトだと思う。

唯一、二本足歩行をする動物である人間は、
地を這い、駆ける動物たちと違い、
嗅覚の代わりに視覚を発達させ、
本能の代わりに理性を発達させてきた。

人間以外の動物たちにとって、
敵との闘争や敵からの逃走。
食料の調達。
より良い生殖活動。
など、基本的な生命維持行動の判断材料として、嗅覚が最大の情報源だ。

一方で人間は、情報の入力端子として、視覚情報87%、聴覚情報7%。
嗅覚情報には、たったの2%しか頼っていないという。

しかし、私たちの嗅覚は、未だ野生の本能を忘れてはいない。
食物の少しの腐敗でも、私たちは腐敗臭を敏感に感じ取り、口にしないことができる。
女性たちは、遺伝的に相性の良い男性を体臭を通して嗅ぎ分けることができる。

人は、理性や社会性の脳である大脳新皮質を発達させ、感覚からの情報はここにインプットされ、処理され、統合されるが、嗅覚情報だけは、野生の脳である大脳辺縁系をまず、ダイレクトに刺激する。

嗅覚情報は、
快・不快という原始的な感覚を通して、
生命にとって安全か、危険かを判断させる。
極めて、シンプルだ。

体について言えば、私たちの体は、日々さまざまなサインを発している。
消化不良や肩の痛み、不眠など…
少しのサインの段階で、心身をメンテナンスしておけば、大病が防げるかも知れないが、多くの人にとって、自分の体との対話は難しい作業だ。

もっと簡単なサインはないだろうか?
と考えた時、注目したのが、嗅覚だ。

人の発する体臭や口臭。
それらのニオイは、口腔内や腸内、体内環境やストレスなどの心の状態を反映している。
体臭や口臭が悪臭化したらば、大脳辺縁系は「不快=危機」と判断する。
それを体の危機と捉え、不快臭を改善することで、「快=安全」な状態に改善できれば、病気の予防につながるのではないか。

さらに、ニオイは、揮発性のガスである。
何かしらの変化は、自分だけでなく、周りの人の嗅覚を刺激して、気づかれやすい。
大切な人のニオイの変化に気づくことで、健康への配慮を促すことができる。

ニオイは、自分の体からのギフトであり、
ニオイを通して、病気の予防を大切な人へのギフトにできるのではないか。
ニオイを通して、自分や大切な人への思いやりが循環する。

だから、
ニオイは、ギフトだと思う。

その小さなギフトを受け取って、自分自身ともっと仲良くすることができれば、病気を含めた多くの問題を解決できるのではないかと考えています。

 

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