口臭の発生源・ドブ掃除に必須２つの強力アイテム
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著者
編集長/桐村里紗
口臭の発生源は、口の中のドブ・ザリガニの巣である
口を開くたびに、なんだか周りの人たちとの距離が開く気がする…。そんな自分の口からは、幼きあの日に嗅いだ懐かしいザリガニ臭がする…！？
ドブ臭・ザリガニ臭の原因は？
ドブ臭・ザリガニ臭の発生源は、歯と歯ぐきの間の深い谷・歯周ポケットの中のドブであることをお伝えした。
病的な口臭の8割は、ドブに発生している歯周病から起こるニオイだ。
成人の約7割、35歳以上の約8割は、何らかの程度の歯周病との統計があるから(※１)、ほとんどの人が口臭リスクを持っていると言える。
もちろん、生理的な口臭は、ますます誰にでも発生する可能性がある。
ドブ掃除に必須の2つの強力アイテム
ザリガニの巣窟であるドブは、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにある。
悪臭の発生源となる歯周病菌の塊・プラーク（歯垢）が、歯ぐきの奥深くまで発展してしまった状態だ。
それを発生させない為には、予防として、基本の口腔ケアをまず抑えたいところ。
しかし、ドブ臭が既に発生してしまっている場合は、これだけでは無理。
一度歯周ポケットができて、谷が深くなってしまうと、基本のケアでは掃除ができないのが難点だ。
こうなると、歯科での掃除が必要になってくるが、自宅でもセルフケアしたい。
ここで、セルフケアに必須の2つのアイテムを紹介しよう。
- お口のケルヒャー：強力水流洗浄器・ジェットウォッシャー
- 歯ブラシの決定版：音波式歯ブラシ
強力水流洗浄器：ジェットウォッシャー
何と言っても、ドブ掃除には、これ。
「お口のケルヒャー」の異名を持つ最終兵器・ジェットウォッシャーだ。
口をゆすいでも残念ながら水流が届かない歯周ポケットや歯間を強力に洗浄するなら、他にはない。
Panasonicのドルツシリーズから発売されているこの最終兵器。
書籍で紹介したところ、取材頂く各メディアの記者や編集者の方々が、皆さん「買いましたっ！」「病みつきですっ！」と仰り、一番人気になったシロモノ。
ウォシュレットのように、使ったら病みつきなのだが、使わないと分からないのが玉に瑕。
せめて、動画にて洗浄力の確認を。
朝晩やらなきゃ気が済まなくなっちゃってます。
使い出したら、ぶよぶよの歯ぐきが引き締まってきて、自分でもマシになったかなぁと自覚するように。
こちら、恐縮だが、試しに、歯磨きと歯間ブラシをした後にジェットウォッシャーを使用してもらったもの。
点々と見えるのは、取りきれていなかった食べかすだ。
歯ブラシだけは、歯間の食べかすは40％程度残ってしまう（※5）。歯間ブラシをしても流しきれない汚れは歯間にたまってしまい、再度、プラークの原因になり、これが強烈なドブ臭の原因になる。
我が家は、ドルツシリーズの音波ブラシとジェットウォッシャーを両方設置している。
すっきりとしたデザインで、12.5cm程度の奥域がある置き場所があれば設置可能だ。
1万円程度の投資で、この爽快感と洗浄力、そして将来的に歯周病を悪化させて心筋梗塞や認知症、がんなどを発症するリスクなどを総合的に考えると、コスパは大変良いのではないかと考える。
2019年6月に防水コードレスモデルがリニューアルされるにあたって、この置き型は１万３千円程度だったところが、１万円を切り7〜８千円代に値下がりしている（2019年4月現在。Amazonをチェック）。
このタイプは、タンクの容量が大きく1回の給水で十分に全体を洗浄できる。
リニューアル後も、特に大きく機能も外観も変わらない。
歯ブラシの決定版：音波式歯ブラシ
普通の歯磨きしかしていなければ、ぜひ音波式歯ブラシに変えて自己投資をしてほしい。
Panasonicのドルツシリーズやフィリップス社のソニケアそして、オムロンのメディクリーンなどがこれにあたる。
極細タイプのヘッドを装着した音波歯ブラシは、安全にプラーク内の細菌数を減少する効果が報告されている(※4)。
これらは、歯科衛生士もお勧めするバス式と呼ばれる磨き方が再現可能。バス式とは、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に向け、 45度の角度に当て小刻みに動かし磨く方法だ。
一方、ブラウンのオーラルBも音波式だが、磨き方が回転式なので微細な部分を磨くというよりも歯の全体を包み込むような磨き方だ。歯周ポケットの微細なケアとしては、バス式を採用している方をお勧めしたい。
音波ブラシの特徴としては、
- キャビテーション効果：
高振動により毛先の周囲2mmの範囲まで汚れの除去を可能。
しかし、深い歯周ポケットまでは届かない。 - 細菌への直接効果：
がっちりとスクラムを組んだプラーク内の細菌の繋がりを破壊。
各社各種のヘッドが用意されており、特に歯周ポケット用のヘッドの小さいタイプの極細毛タイプを選ぶことがポイントだ。
ドルツには、標準的に歯周ポケットケアに最適な、こだわりの3mmの段差を持つ0.02mmの極細毛ヘッドが付属されている。
「歯周病の原因菌が潜む「歯周ポケット」は、正常な状態で1～3mm。4mm以上の場合には、内部で炎症が起こっている可能性があるため、必要以上に「歯周ポケット」に毛先が入ってしまわないよう、ドルツのブラシは3mmの段差毛を採用しています。」と開発技術者の談。(Panasonic公式HPより)
(Amazonで詳しくみる）
しかし、プラークを２週間ほど放置すると歯石になるが、歯ぐきの下の歯石は特にこびりつきやすく全く剥がれない。こうなると、歯科に行かなければお手上げだ。
ザリガニ退治は、歯科と共同で
何れにしても、ザリガニの巣窟である歯周ポケット内のプラークについては、一度歯科にてチェックしてもらう必要がある。
歯肉が完全に被ってしまうと、外科的に歯肉を解放して除去しないと強い口臭が解決しない場合もある。
自己管理として、歯ブラシやタフトブラシ、音波ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス、ジェットウォッシャーなどのアイテムを駆使しつつ、アプローチ困難な部分や安定期のチェックは歯科にて専門的に診てもらおう。
悪くなってから行くから怖くて痛い思いをするのであって、日常的に仲良くしていれば、スッキリするだけで完結する。
大丈夫！歯科とは仲良くできる、はず。
もっと納得したい方は、『日本人はなぜ臭いと言われるのか〜体臭と口臭の科学』（ 光文社新書）をご高覧下さい。
ナゼクサONLINEでは、はじめにとおわりにを全文公開中。
Fragrance-Medicine編集長・桐村里紗が「ニオイ評論家」として『ホンマでっか!?TV』に出演。
参考文献・資料
※１：歯科疾患実態調査H25年
※２J.Dent Res.63:994-997.1984
※３J.Periodontal Res.31:323-329.1994
※４日本歯科保存学雑誌58(4):306-313.2015
※５日本歯科保存学雑誌48(2):272.2005
口臭への対応と口臭症治療の指針2014(日本口臭学会編）
tenrai